会社員でも気軽に副業に取り組める時代となりました。
自分の特技を活かしたり、あるいは空いた時間を有効活用するべく始めた「お小遣い稼ぎ」でも、続けていくことで次第に仕事量や単価が増え、副業としてではなく本業として、つまり「フリーランス」として働けるのではないか…。
そう感じる人もいるのではないでしょうか。
そこで、副業とフリーランス、それぞれの取り組み方について掘り下げてみるとしましょう。
副業とフリーランスは微妙に「働き方」が異なる
副業と言えども仕事であることには変わりはありません。
コツコツと仕事をこなし、クライアントの信頼を得ていくことで次第に回してもらえる仕事量が増え、単価も増えていき、収入が増えていくことで、「本業にしても大丈夫なのではないか」と思うかもしれません。
もちろんそのような方向も決して夢ではありませんし、実際に副業として始めたものの、気付けばフリーランスとして「本業」で取り組んでいるという人も、今の時代には珍しくありません。
しかし、フリーランスは「副業の延長」ではなく、まったく別の働き方だと考えておくべきでしょう。
生活のためにという意識が強くなる
ズバリ、この意識の違いがとても大きいです。
副業として取り組んでいる場合、本業があるのでいわば「給与保障」があります。
仮にですが、一切副業に取り組めなかったとしても、本業のお給料は入ります。
一方、フリーランスとなった場合、働かなければお金を手にすることはできません。
安心感・安定感という点では副業として取り組んでいる方が確実ではあります。
「気分転換」から「本業」へと変わる
副業はお金を稼ぐというよりも、本業の息抜き、あるいは気分転換だと考えている人も多いのではないでしょうか。
お金ありきではなく、たまには違う空気を吸いたい人、本業だけだと息苦しさを感じている人は、副業をこなすことでお小遣いだけではなく、リフレッシュできる点も大きなメリットかと思いますが、フリーランスとして「本業」にした場合、それまでのように息抜きやリフレッシュではなく、真剣に立ち向かい、他の何かで息抜きやリフッシュが求められるようになります。
フリーランスになるメリットは?
もちろんフリーランスになるメリットもあります。
それらもいくつかご紹介するとしましょう。
「時間」という制約がなくなる
フリーランスとなった場合、出社の必要性がなくなりますので、自由なライフスタイルが待っています。
早起きすることも、満員電車に揺られる必要性もなくなります。
また、それまで副業として取り組んでいた場合、時間的にどうしても手軽な案件しか引き受けられなかったという人もいるかもしれませんが、フリーランスとして本業にすることで、更なる大きな案件にチャレンジできるようになります。
結果、更なるステップアップを果たせることになるでしょう。
選択肢が増える
会社員の副業の場合、時間的な面や自分自身のライフスタイルから、できることは限られてしまいがちです。
どうしても「会社員」ありきになりますので、会社員としての自分に支障をきたすことはできません。
その点フリーランスとなった場合、全てが自分の自由になりますので、選択肢も増えます。
副業として取り組んでいた時にはできなかったことだけではなく、思いもよらない選択肢も出てくることでしょう。
それらにチャレンジする・しないは別として、そのような選択肢に対し、「どうすべきか」を考えられることもフリーランスの醍醐味です。
本腰を入れると見えてくることもある
副業としてではなく、本業にすることで自分自身にも責任感が芽生えることでしょう。
いわば「本腰」を入れることで、副業として気軽に取り組んでいた時には見えなかったことが見えてくることもあるでしょう。
例えば副業の時には多少の仕事があれば十分なので、一つ良いサービスを見つけたら「ここだけで十分」と考えるものの、フリーランスになれば様々なチャンネルを持っておいた方が良いからと、いろいろと探すようになるでしょう。
近年はネット環境の進歩に伴い、クラウドソーシングやフリーランス専用の案件紹介サイトなど、実に様々なサービスが用意されていますので、本業となることで活用できるようにもなります。
フリーランスになるために
では実際に、会社員の副業からフリーランスになるためには何が必要なのかもチェックしてみるとしましょう。
特に必要ありません
フリーランスとして仕事を行うにあたっては、特に必要なことはありません。
会社を退職し、個人で仕事をこなすことで「フリーランス」となります。
唯一必要なものは開業届ですが、こちらは出していないとしても確定申告を行うことで税務署側から「個人事業主なのか」と判断されることになるので、決して必須ではありません。
税知識
フリーランスとなるにあたって必要なことはほとんどないのですが、唯一持っておいた方が良いのが税に関する知識です。
副業ではなく、本業として取り組むのであれば自分のお仕事に対し、どこまでが経費として認められるのかは把握しておく必要があります。
在宅で仕事をこなすのであれば、家賃や水道光熱費がどれだけ経費として認められるのかや、それまでは会社が行ってくれていた年金や保険に関しての支払いも、全て自ら行うことになります。
分からないことがあれば税理士に相談することもできますので、フリーランスとなるからにはそれまでのように「空いた時間に仕事をしてお小遣い稼ぎをする」ではなく、税金等の問題にも正面から向き合わなければなりません。
まとめ
会社員が副業からフリーランスに「転身」することは難しいことではありませんが、気を付けなければならないことが多々あります。
その点を踏まえた上で、自分はどちらの方が合っているのかを考えるべきです。
副業とフリーランスは、どちらの方が優れているかという話ではなく、全く異なる働き方です。