
副業を認める会社は、この数年で確実に増えました。国が示すモデル就業規則が2018年に「原則容認」へ切り替わり、いまは副業を認めているかどうかを外部に公表することまで推奨されています。何がどう変わったのかを、資料の側から追います。
この記事の目次 6項目
転換点は2018年1月のモデル就業規則の改定

厚生労働省が公開しているモデル就業規則は、多くの会社が自社の規則をつくるときのひな形にしているものです。2018年1月の改定で、それまで遵守事項に置かれていた「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」という一文が削除され、副業・兼業の章が新設されました。
最新の令和7年12月版では第70条にあたり、第1項はこう書かれています。
モデル就業規則 第70条第1項
「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。」
第2項で、届出の内容が次の4つに当たる場合は禁止・制限できるとしています。
- 労務の提供に支障がある場合
- 企業秘密が漏洩する場合
- 会社の名誉や信用を損なう行為、信頼関係を破壊する行為がある場合
- 競業により会社の利益を害する場合
つまり「原則は認める、例外的に制限できる」という組み立てに変わりました。これに合わせて自社の規則を改めた会社が、この数年で増えています。
その後に足された仕組み
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2020年9月 | ガイドライン改定で労働時間の通算方法を明確化し、お互いの実労働時間を報告し合わなくても法律を守れる「管理モデル」を新設 |
| 2020年9月 | 労災保険法の改正施行。複数の会社で働く人の給付が全就業先の賃金を合算した額で計算されるように |
| 2022年1月 | 雇用保険のマルチジョブホルダー制度開始(65歳以上が対象) |
| 2022年7月 | ガイドライン改定で、副業・兼業を認めているかを自社Webサイト等で公表することが望ましいと追記 |
| 2024年11月 | フリーランス法施行。業務委託で働く個人に、発注側の義務という形の保護が入った |
実際にどこまで広がったのか
| 数値 | 出典 |
|---|---|
| 副業がある人 305万人/副業者比率 4.8%(5年前は245万人・3.9%) | 総務省「令和4年就業構造基本調査」(2022年10月1日現在)。2026年8月時点で最新の公的統計 |
| 正社員の副業実施率 11.0%。調査開始以降で初めて上昇に転じ、過去最高 | パーソル総合研究所「第四回 副業の実態・意識に関する定量調査」(2025年10月28日発表) |
| 企業の副業容認率は過去最高。「全面容認」(ルールや制限なく認める)の割合は2018年の約2倍 | 同上 |
| 副業の時給 平均3,617円/中央値2,083円 | 同上 |
公的統計と民間調査の違いに注意してください
副業者数・副業者比率は総務省の基幹統計で、5年ごとの調査です(次回は令和9年予定)。一方、企業がどれだけ副業を認めているかを継続的に測る公的統計はありません。容認率の数値は民間調査によるもので、調査主体と調査時点を確かめて読む必要があります。当サイトでは、報道でしか確認できていない具体的な数値は掲載していません。
会社が副業を認めるようになった理由
ガイドラインは、企業側の意義として、社員が社外で得た知識やスキルを自社に還元できること、優秀な人材の獲得と流出防止につながること、事業機会の拡大につながることを挙げています。パーソル総合研究所の調査でも、副業人材を受け入れた企業の55.6%が「副業人材が自社に転職してきたことがある」と回答しています。採用の入口としても機能しはじめている、ということです。
副業としてのメリット・デメリット
| メリット | デメリット・注意したい点 |
|---|---|
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次に読むなら
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- 副業の確定申告はいくらから? … 20万円ルールと住民税の関係
- 公務員の副業はどこまで認められる? … 条文と許可の基準
この記事で参照した資料
- 厚生労働省「モデル就業規則」(令和7年12月版)第70条/平成30年1月改定の概要
- 厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(令和4年7月8日改定版)
- 総務省「令和4年就業構造基本調査」(令和5年7月21日公表)
- パーソル総合研究所「第四回 副業の実態・意識に関する定量調査」(2025年10月28日発表)
この記事に書いた制度と統計の内容は 2026年8月22日 に、国税庁・厚生労働省・総務省など発表元の資料で確認しました。制度は改正されることがあるため、手続きの前に必ず最新の内容をご確認ください。




