
副業の後押しは、掛け声だけでは終わっていません。労災、雇用保険、社会保険、フリーランス保護と、実際に法律が順に整備されてきました。何がどこまで進んだのかを年表で押さえます。
この記事の目次 4項目
整備された制度の年表
| 時期 | 制度 | 内容 |
|---|---|---|
| 2018年1月 | モデル就業規則の改定 | 「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」を削除。副業・兼業の章を新設し原則容認へ |
| 2018年1月 | 副業・兼業ガイドライン策定 | 企業・労働者双方に向けた考え方を提示 |
| 2020年9月 | 労災保険法の改正施行 | 複数事業労働者の給付基礎日額を全就業先の賃金の合算で算定。「複数業務要因災害」を創設 |
| 2020年9月 | ガイドライン改定 | 労働時間の通算方法を明確化し、「管理モデル」を新設 |
| 2022年1月 | 雇用保険マルチジョブホルダー制度 | 65歳以上が対象。2つの事業所の週所定労働時間を合算して20時間以上なら、本人の申出により被保険者になれる |
| 2022年7月 | ガイドライン改定 | 副業・兼業の許容状況を自社Webサイト等で公表することが望ましいと追記 |
| 2024年10月 | 社会保険の適用拡大 | 短時間労働者の企業規模要件が101人以上→51人以上に |
| 2024年11月 | フリーランス法 施行 | 業務委託で働く個人に対する発注側の義務を定めた |
| 2025年6月 | 年金制度改正法 公布 | 賃金要件(月8.8万円)の撤廃と企業規模要件の段階的撤廃を法定 |
これから予定されている変更

| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2028年6月まで(時期は政令待ち) | 社会保険の賃金要件(月額8.8万円)が撤廃。以後は週20時間以上で対象 |
| 2027年10月 | 企業規模要件が36人以上に |
| 2028年10月 | 雇用保険の週所定労働時間要件が20時間以上→10時間以上に。マルチジョブホルダー制度の合算基準も連動 |
| 2029年10月 | 企業規模要件が21人以上に。個人事業所の非適用業種(農林漁業・宿泊業・飲食サービス業等)も解消 |
| 2032年10月 | 企業規模要件が11人以上に |
| 2035年10月 | 企業規模要件が撤廃 |
2026年8月時点ではまだ現行の条件です
賃金要件の撤廃は法律で予定されているもので、2026年8月時点では月額8.8万円以上という条件が有効です。「もう撤廃された」という前提で計画を立てないようご注意ください。
個人にとって何が変わったのか
制度の整備は、要するに「副業をしていても、雇用されている人と同じように守られる」状態に近づけていく作業です。副業先での事故で本業分を含めた給付が受けられるようになり、短時間の掛け持ちでも雇用保険に入れる道ができ、業務委託で働く個人にも支払期日や書面明示のルールが適用されるようになりました。
一方で、加入対象が広がるということは保険料の負担が発生する場面も増えるということです。副業先で社会保険に入ると、その分の保険料を負担します。手取りだけで見ると減る場面もありますが、将来の年金や傷病手当金の計算には反映されます。
次に読むなら
- 会社員が副業を始める前に確認する4つのこと … 就業規則・労働時間・住民税・社会保険
- 会社員のまま業務委託で働くとき … フリーランス法で変わったこと
- 副業解禁はどこまで進んだ? … モデル就業規則の改定と最新の数字
この記事で参照した資料
- 厚生労働省「モデル就業規則」(令和7年12月版)/「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(令和4年7月8日改定版)
- 厚生労働省「複数事業労働者への労災保険給付」/「雇用保険マルチジョブホルダー制度について」
- 日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大」
- 厚生労働省「社会保険の加入対象の拡大について」(令和7年年金制度改正法関連)
- 公正取引委員会「フリーランスの取引適正化に向けた取組」
この記事に書いた制度の内容は 2026年8月22日 に、国税庁・厚生労働省・総務省など発表元の資料で確認しました。制度は改正されることがあるため、手続きの前に必ず最新の内容をご確認ください。




