
副業を認めるかどうかは、社員だけでなく会社にとっても損得のある判断です。国のガイドラインが企業側の意義として何を挙げているのか、実際に受け入れた会社に何が起きているのかを整理します。
この記事の目次 6項目
ガイドラインが挙げている企業側の意義
- 社員が社外で得た知識・スキル・人脈を自社に還元できる
- 優秀な人材の獲得と流出の防止につながる
- 社員の自律性・自主性を促せる
- 社外から新たな知識・情報や人脈が入り、事業機会の拡大につながる
同時にガイドラインは、企業が安全配慮義務・秘密保持義務・競業避止義務・誠実義務に留意する必要があるとしています。副業を認めるなら、届出の仕組みと、労働時間・健康状態を把握する仕組みをセットで用意する、という考え方です。
採用の入口として機能しはじめています
パーソル総合研究所の2025年10月の調査では、副業人材を受け入れた企業の55.6%が「副業人材が自社に転職してきたことがある」と回答しました(前回調査から7.0ポイント増)。副業での受け入れが、実際に働く様子を見てから採用するという経路になっている、ということです。
同じ調査で、企業の副業容認率は調査開始以降で過去最高、「全面容認」(ルールや制限なく認める)の割合は2018年の約2倍になりました。
副業としてのメリット・デメリット
| メリット | デメリット・注意したい点 |
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会社が制限できる範囲は決まっています

モデル就業規則(令和7年12月版)第70条第2項は、届出の内容が次に当たる場合に禁止・制限できるとしています。逆に言えば、これに当たらない副業を一律に禁止する根拠は、モデル就業規則には置かれていません。
- 労務の提供に支障がある場合
- 企業秘密が漏洩する場合
- 会社の名誉や信用を損なう行為、信頼関係を破壊する行為がある場合
- 競業により会社の利益を害する場合
副業の相談を理由に不利益な扱いはできません
ガイドラインおよびモデル就業規則の解説は、副業・兼業に係る相談や自己申告等を行ったことを理由として、不利益な取扱いをすることはできないと明記しています。届け出たら評価が下がった、といったことは想定されていません。
情報公開が推奨されるようになりました
令和4年7月のガイドライン改定で、副業・兼業を許容しているか、条件付きならその条件を、自社のWebサイト等で公表することが望ましいという項目が加わりました。転職や就職の際に、会社の姿勢を外から確かめられる場合があります。
次に読むなら
- 副業解禁はどこまで進んだ? … モデル就業規則の改定と最新の数字
- 会社員が副業を始める前に確認する4つのこと … 就業規則・労働時間・住民税・社会保険
- 働き方改革で何が変わったか … 副業に効いてくる3つの論点
この記事で参照した資料
- 厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(令和4年7月8日改定版)
- 厚生労働省「モデル就業規則」(令和7年12月版)第70条および解説
- パーソル総合研究所「第四回 副業の実態・意識に関する定量調査」(2025年10月28日発表)
この記事に書いた制度と統計の内容は 2026年8月22日 に、国税庁・厚生労働省・総務省など発表元の資料で確認しました。制度は改正されることがあるため、手続きの前に必ず最新の内容をご確認ください。




