起業は決して珍しくはない時代ですが、起業にはどうしてもリスクが付きまとうものです。
裸一貫でスタートしたものの、上手く行かなければただ単に「失敗しました」では済みません。
だからこそ、起業を躊躇する人がいるのも決して分からない話ではありませんが、起業の一歩目として副業を始めてみるのも良いかもしれません。
副業として始めてから起業をするメリット
通常、起業をと思ったら会社を辞めてまさに「裸一貫」でのスタートになります。
だからこそ、デメリットも大きいのですが、まずは副業で「起業の一歩目」を踏み出すことで、デメリットの回避など、多くのメリットが受けられます。
そこで、副業から始めるメリットをいくつか列挙してみました。
業界のことが分かる
まずは副業として取り組むことで、どのような業界なのかが分かります。
いきなり本業として起業した場合、それまで同じ業界にいたのであればまだしも、多少調査をしたくらいでは業界の本質は分かりません。
しかしまずは副業として取り組むことで、自分自身の身をもってどのような業界なのかが分かります。
ある程度真剣に取り組んでみることで、将来性はあるのかや、どのような競合がいるのか。端的に言えば「食べていけるのか」なども見えてくるのではないでしょうか。
副業で取り組む程度が好ましいのか、あるいは本業として取り組んだとしても大きな利益を狙えるのか。そのような点を「机上の空論」ではなく、実際に自分自身で味わうことができる点は大きなメリットです。
リスクの軽減も大きなメリット
起業は成功すれば大きな成果を得られる一方で、失敗した場合、大きな痛手を被ります。
会社という安定した環境から抜け出して起業したものの、失敗したので「やっぱり元に戻りたいんです」とはいきません。
大げさな話抜きに、起業に失敗したことで人生が変わってしまうケースとて十分に考えられます。
しかし、副業で「様子見」から始めれば、仮に失敗したとしても本業を継続したままになりますので「起業の失敗のおかげで身ぐるみ剥がされた」ということにはなりません。
副業の時間そのものは無駄になってしまうとしても、本業は残ります。
むしろ仮にいきなり起業からスタートしていた場合、更に大きなダメージを負っていた可能性もあるのです。
その点では副業から始めた場合のリスクヘッジもまた、大きなメリットになるのではないでしょうか。
起業の資金を貯めることが可能
まずは副業として取り組んだ場合、本格的な起業に向けての開業資金の貯蓄も可能です。
先に挙げたメリットを享受しつつ、副業として働くことで一定の収入を得られますので、開業資金として加算させることが可能です。
起業にはどうしても資金が必要です。
どれだけ成功の手応えがあるとしても、資金がなければ開業はできません。
「もしも本業として取り組んだらどうなるのか」をシミュレーションしながら資金迄貯蓄できる点は、副業だからこそのメリットと言えるでしょう。
副業の間に覚えておくべきこと
将来的な起業を考えて副業に取り組むのであれば、副業として取り組んでいる間に覚えておくべきことがいくつかあります。
それらをしっかりと覚えることで、起業した際の成功を近付けることが可能です。
税金関連
サラリーマンであれば税務は全て会社が行ってくれるので意識する必要はありません。
しかし、仮に起業するとなれば当然ですが会社が行ってくれる訳がありません。
全て自分で行い、年度末には確定申告も行わなければなりません。
これらは「知らなかった」では済まされないものも多々ありますので、副業として取り組んでいる間に確定申告を受けるなど、サラリーマンにはない「税金面の煩わしさ」も覚えておくと良いでしょう。
仮にですが副業で成功して起業となった場合、副業の時とは比べ物にならない税金面の負担が待っています。
それは金銭的にという意味だけではなく、手続きの面も含めてです。
そのため、まずは副業の時に税金面のことも理解しておくと良いでしょう。
人脈も作れれば更に良い
なかなか難しいかとは思いますが、副業として取り組んでいる間に人脈を作れると、起業した際に有利です。
仕事が安定するかは、いわば人脈次第と言っても過言ではありません。
ネット上にはクラウドソーシングなど、人脈がなくともすぐにでも働けるサービスが多々登場していますが、起業して取り組むとなれば一から人脈を作るのではなく、既にある人脈を使えるのかはとても大切な部分です。
それだけに、副業として取り組んでいる間に、将来的に役立つような人脈を作れると良いでしょう。
副業でも「真剣に」取り組むこと
副業の場合、気持ちの面では起業よりも余裕があるのは間違いありません。
もしも思ったように稼げないとしても「本業があるから大丈夫」な点は副業として取り組む大きなメリットであることは間違いないのですが、余裕があるからと真剣に取り組まないようでは、ただ単に「お小遣い稼ぎ」で終わってしまいます。
起業をするつもりがないのであればそれでも十分なのですが、いずれ起業したいと考えているのであれば、お金をもらいつつ業界のことを知れる点や、ともすれば人脈ができる点はとても大きなメリットです。
しかしそれらは真剣だからこそ得られるメリットです。
適当な気持ちで取り組んでいるようでは、それらのメリットは享受できませんし、業界内部のこともしっかりと理解することはできません。
せっかくお金をもらいながら貴重な体験ができるのです。
真剣に取り組むことで、吸収できるものはすべて吸収すると良いでしょう。
まとめ
いきなり起業するとなればハードルも高いですし、リスクもあります。
しかし副業から始めてみることで、どのような業界なのか身をもって知ることができますので、その後起業するか、あるいは起業を考え直すのかの判断も可能です。
実際に業界で働いてみることで分かることもあるだけに、いずれ起業をと考えているのであれば、まずは副業と言う形で取り組み、合う合わないや将来性などを考慮してみてはいかがでしょうか。