
Webライティングの勉強は、教材を増やすより、一本書いて、どこが伝わらなかったかを直すことから始めます。知識が増えても原稿が完成しなければ、応募時に見せるものは増えません。
このページでは、有料講座へ進む前に試せる七つの練習課題を紹介します。必要なのは文章を保存する道具と、公開されている一次資料です。特定のアプリの有料契約は前提にしていません。課題や評価表は編集部による練習用の提案で、資格試験や採用基準ではありません。
この記事の目次 14項目
最初のテーマは「読者の小さな困り事」に絞る
「副業について」「パソコンについて」では範囲が広すぎます。「初めてオンライン会議に参加する人が、前日までに確認すること」のように、読者と場面が想像できる題材を選びましょう。
練習用の題材は、実際に確認できるものが適しています。使ったことのないサービスの体験談、行っていない店のレビュー、資格のない分野の診断的な説明は避けます。公開資料をまとめる場合も、自分が利用したようには書きません。
今回の共通課題:自宅で初めてオンライン面談を受ける人が、開始直前に慌てないための準備記事を作る。
製品名に依存する操作説明は、使う製品の公式ヘルプで確認してください。以下は文章設計の練習であり、特定製品の操作マニュアルではありません。
課題1:読者と読み終わった後の行動を書く
本文を書く前に、次の四項目をそれぞれ一文で埋めます。
| 項目 | 練習例 |
|---|---|
| 誰が読むか | 自宅から初めてオンライン面談に参加する人 |
| いつ読むか | 面談の前日 |
| 何に困っているか | 接続・映り方・当日の連絡手段が不安 |
| 読み終わったら何をするか | 接続テストをし、連絡先と参加URLを保存する |
ここで「誰にでも役立つ」と書いたら、もう一段絞ります。スマートフォンで参加する人と、会社の管理下にあるパソコンを使う人では必要な説明が異なります。両方を扱うなら分岐を作り、同じ操作ができるように見せないことが大切です。
課題2:事実・自分の提案・分からないことを分ける
調査メモを三つに分けます。「公式資料で確認できたこと」「自分が勧める進め方」「まだ確認できていないこと」です。
例えば、公式ヘルプに接続テストの手順があれば確認済みの事実です。「前日に一度試す」は編集上の提案です。「すべての端末で同じ画面になる」は、確認していない限り事実として書けません。この仕分けを行うと、根拠のない断定を減らせます。
情報源メモには、資料名、発表元、URL、公開・更新日、閲覧日、使う箇所を残します。料金や利用条件は、検索結果に出た短い説明だけで確定せず、公式ページ本文と注記まで読みます。出典の文章を言い換えただけの記事にせず、読者がどう行動するかの説明を自分で組み立てましょう。
課題3:見出しだけで迷いが解消する順番を作る
次の二つを比べてください。
改善前の構成
- オンライン面談とは
- オンライン面談のメリット
- オンライン面談の注意点
- まとめ
改善後の構成例
- 前日:参加URL・利用端末・連絡先を確認する
- 前日:音声とカメラを試す
- 当日:資料と電源を準備して入室する
- つながらないとき:担当者へ状況を伝える
後者は、読者が必要な準備へ移りやすい順番です。ただし、すべての記事を時系列にする必要はありません。商品比較なら判断基準と違いを先に示す方が役立つ場合があります。読者の質問に最も早く答える順番を考えます。
各見出しの下へ「ここで答える質問」を一つずつ書き、同じ回答が二つの節に出てきたら統合します。まだ本文は書かず、見出しと質問だけで過不足を確認してください。
課題4:一つの説明を300字程度で書く
いきなり長文にせず、一つの見出しから書き始めます。文字数は練習の区切りで、必ず300字に合わせる必要はありません。
改善前:「オンライン面談では事前準備が非常に重要です。十分に準備することによって、安心して面談に臨めるようになります。」
改善後:「前日までに、参加URLを開けるか、マイクとカメラを利用できるかを確認します。職場の端末などで設定を変えられない場合は、担当者へ相談してください。当日の接続に失敗したときに備えて、連絡先も別に保存しておきます。」
改善後は、何を準備するのかと、うまくいかない場合の行動が具体的です。「重要」「おすすめ」「便利」と書いたら、その理由や操作を追加できないか考えてください。
ただし、短い文章が常に優れているわけではありません。条件を省いて誤解を生むなら、必要な説明を残します。削るのは重複や曖昧な前置きであり、注意書きの根拠ではありません。
課題5:手順と比較表を一つずつ作る
文章だけでは見つけにくい情報を、形式を変えて整理します。順番がある作業は番号付きの手順へ、同じ基準で比べる情報は表へ変えます。
練習では「前日の準備」を三つの手順にし、「音声が出ない」「参加URLが見つからない」などの困り事と確認先を表にしてください。原因を断定せず、読者が自分で確かめられる範囲を示します。
表は列を増やしすぎない方がスマートフォンで読みやすくなります。説明が長くなる項目は表の下へ移します。表を作った後で、同じ内容を本文でもすべて繰り返していないか確認しましょう。
課題6:時間を空けて三回読み直す
推敲は一度にすべてを見るより、目的を分けると進めやすくなります。
| 読み直す回 | 見ること | 確認の例 |
|---|---|---|
| 1回目 | 内容と順番 | 冒頭で質問に答えているか、説明の飛躍はないか |
| 2回目 | 事実と条件 | 数字・固有名詞・出典が合っているか |
| 3回目 | 表現と操作 | 主語、表記、リンク、共有権限は正しいか |
声に出して読んで息が続かない文は、複数の話を詰め込みすぎている可能性があります。「これ」「それ」が何を指すか分からない文は、具体名へ置き換えます。誤字だけ直しても、記事の目的と内容がずれていれば読み手の問題は解決しません。
課題7:改善理由を記録してサンプルへ仕上げる
修正前と修正後を三か所残し、「読者が何を理解しやすくなったか」を一文で説明します。例えば「事前準備が重要という抽象的な表現を、URL・音声・連絡先の三項目に変更した」と記録します。
この記録は、他人から指摘されたときにも使えます。好みの問題なのか、事実の誤りなのか、読者像のズレなのかを区別できれば、次の原稿へ応用しやすくなります。
総合演習:資料から短い案内記事を一本仕上げる
ここからは、七つの課題を通して実際に書き直す練習です。題材は前半と同じ「初めてのオンライン面談」。以下の依頼・日時・条件は、この演習のために作った架空の設定です。実在する会社や製品の利用条件ではありません。 資料を読む力に集中するため、製品固有の操作は扱いません。
執筆依頼と資料
想定する依頼は「面談の前日に送る、参加者向けの案内文」です。読者は自宅から初めて参加する人。読み終えたら、日時と参加方法を確認し、問題があれば担当者へ連絡できる状態を目指します。
| 資料番号 | この演習で与えられた情報 |
|---|---|
| A:開催案内 | 面談は9月18日14時開始、予定時間は30分。参加用URLは前日までにメールで届く |
| B:準備案内 | 使用する端末で、指定ツールの音声・映像の確認を事前に行う。操作方法は案内メールのヘルプを参照する |
| C:入室案内 | 入室できるのは開始5分前から。接続できない場合は案内メールへ返信する |
| D:未確定事項 | 服装、録画の有無、スマートフォンで参加できるかは、資料に記載がない |
まず、A〜Dだけを使って案内を書いてください。「おそらくこうだろう」という補足は入れず、分からない条件は確認事項として残します。最初は短くて構いません。日時、準備、入室、困ったときの連絡がそろっているかを優先します。
改善前の原稿例:読みやすくても、内容に問題がある
オンライン面談は、自宅にいながら気軽に受けられる便利な方法です。スマートフォンでも必ず参加できるため、パソコンを持っていない方も安心してください。9月18日は事前準備をしっかり済ませ、余裕を持って10分前に入室しましょう。服装は自由です。トラブルが起きても入り直せば解決するので、落ち着いて対応してください。
語尾や誤字だけを直す前に、資料と一文ずつ照合します。この原稿には、必要な開始時刻がなく、資料と違う入室時刻があり、確認できていない条件まで断定されています。文章の滑らかさと、情報の正しさは別に点検する必要があります。
修正メモ:どこを、なぜ変えるか
| 原稿の問題 | 資料との照合と修正 |
|---|---|
| 「スマートフォンでも必ず参加できる」 | Dでは不明。断定を削り、必要な人が担当者へ確認する案内に変える |
| 「9月18日」だけで開始時刻がない | Aにある14時開始と予定30分を加える |
| 「10分前に入室」 | Cは5分前。入室可能時刻を13時55分に直す |
| 「服装は自由」 | Dには記載なし。自由ともスーツ必須とも書かない |
| 「入り直せば解決する」 | 根拠がない。Cにある連絡方法を案内する |
| 「準備をしっかり」 | Bにある音声・映像の確認と、ヘルプの参照へ具体化する |
「案内メールへ返信する」だけでも連絡手段は伝わりますが、何を送るかまでは資料にありません。補足するなら「表示されたエラーや試したことも添えると、状況を伝えやすくなります」のように、編集上の提案だと分かる書き方にします。主催者からの必須指示として増やしてはいけません。
改善後の全文例
9月18日のオンライン面談:前日までの準備と当日の参加方法
面談は9月18日14時から、30分の予定です。参加用URLは前日までにメールで届きます。案内が見当たらない場合は、担当者へ確認してください。
前日までに、当日使う端末で音声と映像を確認します。操作方法は案内メールにある指定ツールのヘルプを参照してください。スマートフォンでの参加可否や服装、録画の有無は、この資料では確認できません。必要な条件は担当者へ問い合わせましょう。
入室できるのは13時55分からです。開始時刻までに参加できるよう、案内メールを手元に用意してください。接続できない場合は、そのメールへ返信します。状況を伝える際は、表示されたエラーや試したことを添えると説明しやすくなります。
これは唯一の正解ではありません。見出しを増やしても、箇条書きに変えても構いません。ただし、資料にある事実と矛盾せず、読者が必要な情報を探せることが条件です。実際の依頼で担当者の連絡先まで欠けていたら、公開前に確認する必要があります。
自分の原稿と比べるときの見方
模範例と同じ表現かどうかではなく、A〜Dの情報をどう扱ったかを比べます。自分の原稿に含めた事実の横へ資料番号を書き、対応する資料がない断定に印を付けてください。次に、開始時刻や連絡先など、行動に必要なのに抜けている情報を探します。
最後に「読者が案内を閉じても、いつ・何をすればよいか説明できるか」を確認します。他の人に見てもらえるなら、感想だけでなく「何時から入れる?」「つながらなければどうする?」と聞くと、伝わらなかった箇所を見つけやすくなります。相手の回答が自分の想定と違っていたら、文章のどこを読んだかも尋ねてください。
この演習文をそのまま自分の制作実績として出すのではなく、別の題材と自分で確認した資料で同じ工程を繰り返します。実際のサービス記事へ進むときは、資料の更新日、対象プラン、端末などの条件も調べます。
学習を一回で終わらせないための記録シート
次の項目をメモ帳や表計算ソフトへコピーし、一本ごとに残してください。時間は速さを競うためではなく、次に練習する工程を見つけるために使います。以下の時間配分は学習計画の例で、初心者の標準時間ではありません。
| 工程 | 区切り方の例 | 終わったときに残すもの |
|---|---|---|
| 読者設定・資料確認 | 25分取り組み、不明点を整理 | 読者の一文、資料番号、不明点 |
| 構成・初稿 | 40分取り組み、未完成箇所に印 | 見出しと初稿 |
| 照合・推敲 | 別の時間に25分取り組む | 修正版、変更理由3件 |
合計90分で完成させるノルマではありません。資料調査に時間がかかった場合は、扱う問いを一つに絞るか、次の時間へ持ち越します。未確認の事実を埋めて期限だけ守っても、正確に書く練習にはなりません。
題材/想定読者:__
記事で答える質問:__
使った資料・確認日:__
調査/構成/執筆/推敲の実時間:__
修正前の一文:__
修正後の一文:__
変更した理由:__
まだ確認できないこと:__
次の一本で練習すること:__
たとえば、書く時間より調査が長かったなら、「検索が遅い」と結論づけず、最初の問いが広すぎなかったか、資料に必要な条件が載っていたかを見直します。修正が多かった場合も、誤字・根拠・構成・依頼条件のどれが原因かを分けます。一本の総時間だけでは、改善すべき点を特定できません。
自己評価は点数より、未解決の項目を見る
次の項目を「できた」「修正する」「確認できない」で評価してください。
- 誰が読む記事かを一文で言える。
- 冒頭で読者の中心的な質問に答えている。
- 各見出しで扱う内容が重複していない。
- 数字やサービス条件を出典に戻って確かめた。
- 自分の経験と公開資料の情報を区別している。
- 読み終えた人が次の行動を選べる。
- リンクと共有権限を確認した。
- 未確認の事実を推測で埋めていない。
「確認できない」が残った事実は、追加調査するか、扱う範囲を狭めます。全部を知っているように書くより、確認できた内容を正確に伝える方が仕事のサンプルとして説明しやすくなります。
添削や講座を選ぶ前に、見てもらいたい箇所を決める
独学の次に有料の学習を検討するなら、この演習の初稿と修正記録を持って相談します。「ライターになりたい」だけより、「資料にない断定を自分で見つけられない」「構成を作ると説明が重複する」の方が、必要な支援を判断しやすくなります。
| 困っていること | 確認したい支援 |
|---|---|
| 読者と見出しが結び付かない | 構成段階で提出してフィードバックを受けられるか |
| 誤りを見落とす | 出典との照合方法も添削対象か |
| 指摘の意味が分からない | 理由を質問できるか、修正版も確認してもらえるか |
| 時間が取れず提出できない | 提出期限、休止、学習時間が自分の予定に合うか |
講座の価格や教材数だけでは、この支援があるかは判断できません。契約前に対象課題・添削範囲・追加費用を確認します。比較の手順はライティング講座の選び方で整理しています。無料の練習で不足が具体化するまでは、購入を急ぐ必要はありません。
文章の評価を検索順位だけに置かないことも大切です。Googleは読者に役立つ内容を重視する考え方を説明していますが、この演習の完了が検索上位や受注を保証するものではありません。Google 検索セントラル:有用で信頼性の高いコンテンツ
AIは答え合わせではなく、検討材料として使う
「説明が飛んでいる箇所を挙げて」「この見出しで残る疑問を出して」といった使い方なら、読み直す観点を増やせます。ただしAIの指摘も誤るため、自分で採用・不採用を判断します。出典URLや統計値は実在確認を行い、生成された引用をそのまま使いません。
仕事の原稿では、依頼主の利用ルールが優先です。練習で使った方法を、そのまま機密資料を扱う仕事へ持ち込まないようにします。
よくある質問
本を何冊読めば応募できますか?
冊数で決まりません。募集されている作業を理解し、サンプルで自分が担当できる範囲を示せるかが判断材料になります。読書だけで応募を先延ばしにしているなら、まず一本完成させましょう。
検索で上位の記事をまねれば上達しますか?
見出しの役割や情報の順番を分析する練習にはなりますが、文章や構成のコピーを納品物にしてはいけません。別の読者設定を置き、一次資料から自分で組み直してください。
書くのが遅い場合はどうしますか?
調査と執筆を交互に繰り返していないか見直します。先に疑問と情報源を整理し、不明点には印を付けて調べる時間を分けます。速度を優先して確認を省くことは避けてください。
完成した一本はポートフォリオへ整理し、初めての案件選びへ進みます。全体の順序はWebライターのロードマップで確認できます。
編集・運営:みんなの副業 編集部(株式会社NO CAP)/本文更新日:2026年9月8日。架空資料を使った総合演習、修正前後の全文、資料との照合表、学習記録、添削選びの確認項目を増補。演習の依頼・条件・文章は編集部による練習用の作例で、実在案件や受注実績ではありません。Google公式資料を確認。特定製品の操作・講座の現行料金は今回の確認対象外です。




