未経験Webライターのポートフォリオ|サンプル記事の作り方と見せ方

Webライターのポートフォリオは、作品をたくさん並べる場所というより、発注者が「何を頼める人か」を判断する資料です。実績がない段階でも、自主制作の記事を使って、調べ方や構成力、説明の正確さを示せます。

必要なのは立派なサイトより、応募する仕事に近いサンプルと、その制作意図です。このページでは、最初の一本を作り、応募時に見せるところまで説明します。紹介文は練習用のテンプレートなので、事実と異なる経歴やスキルを入れないでください。

この記事の目次 14項目

実績がない段階では、自主制作と明示する

仕事で制作した記事と、自分でテーマを決めて書いた記事は分けて表示します。「自主制作」「架空の依頼を想定した練習記事」など、どのような位置付けかが分かる名称にしてください。架空の会社から依頼を受けたことにしたり、実在する企業のロゴを置いて取引関係があるように見せたりする必要はありません。

「未経験です」とだけ伝えると、発注者は何ができるかを判断できません。一方、「初心者ですが何でもできます」も作業の範囲が曖昧です。「公式資料を確認して、初心者向けの手順記事を構成から作成した」のように、示せる作業を具体化しましょう。

サンプルの題材は、応募したい仕事から逆算する

応募したい仕事 サンプルの題材例 見せたい力
初心者向け解説 身近なサービスの利用条件と選び方 難しい条件を整理する力
手順記事 実際に操作できる道具の設定手順 順序とつまずきやすい点の説明
比較記事 用途が近い二つの選択肢の比較 同じ基準で違いを示す力
インタビュー記事 同意を得た相手への短い取材 質問設計と発言の整理
既存記事の改善 自分の過去記事の修正前後 改善理由を説明する力

最初から分野の違う記事を何本も作ると、調査の負担が増えます。まず一つの分野で、説明記事と手順記事など、仕事の種類が違うサンプルを揃える方法があります。本数は採用の保証にならないため、数を増やす前に一本の完成度を確認してください。

題材選びで避けたい三つの失敗

一つ目は、自分だけが面白いと思う話で、読者の疑問が決まっていないこと。二つ目は、既存記事の言い換えに終わり、自分の調査や整理が見えないこと。三つ目は、未経験の体験や使っていない商品の感想を作ることです。

利用経験がないサービスでも、公開情報を整理する解説は作れます。その場合は「公式情報をもとにした比較」と書き、操作感や対応品質まで評価しません。体験していない部分を隠すより、評価できる範囲を明確にする方が資料として使いやすくなります。

一本を完成させる六つの工程

1. 想定依頼を書き出す

読者、記事の目的、扱う範囲、扱わない範囲、納品形式を決めます。例えば「在宅で仕事を始めたい人に、仕事用のメールとファイル管理を整える手順を説明する。特定サービスの有料契約は前提にしない」と設定します。

2. 必要な資料を集める

公式ヘルプや仕様、実際に確認した操作の記録を集めます。資料ごとに何を確認したかを残すと、後から質問されても説明できます。検索順位が高いという理由だけで、他の記事を正しい情報源として扱わないでください。

3. 構成を作る

読者が迷う順に見出しを並べ、各節の答えを一文で書きます。この段階で答えが書けない見出しは、調査不足か、記事の範囲を広げすぎている可能性があります。

4. 本文と具体例を作る

一般論だけでは判断しにくい箇所に、比較表、手順、例文を入れます。架空の数字を使う場合は計算例と明示します。実際の調査結果に見えるグラフや、根拠のない「利用者の声」は作りません。

5. 事実確認と推敲を分ける

文章を整える作業と、数字や条件を確認する作業は別に行います。読みやすくても事実が誤っていればサンプルの信頼性は下がります。記事にした条件を、元の資料へ戻って確かめてください。

6. 制作説明を添える

完成原稿だけでなく、どこを工夫したかを短くまとめます。発注者に長い制作日記を読ませる必要はありません。読者像、担当範囲、調査方法、改善点が分かれば十分です。

そのまま使えるサンプル紹介テンプレート

記事名:[タイトル]
制作区分:自主制作/掲載許可を得た受託制作
想定読者:[どのような人が、いつ読むか]
記事の目的:[読了後に判断・実行してほしいこと]
担当範囲:[調査、構成、執筆、画像作成、入稿など実際に行ったもの]
確認した資料:[公式資料の名称とURL]
工夫した点:[読者の疑問を解消するために変えたこと]
制作時間:[調査○時間、執筆○時間など。計測していなければ省略]
制作・更新日:[年月日]
サンプル:[閲覧できるURLまたはファイル]

制作時間は短く見せるために連絡・修正を除外しないようにします。測っていないなら概算と書くか掲載を省略します。SEO順位や売上など、確認できない成果を後付けしないでください。

記入例:完成記事に「制作説明」を添える

空欄のテンプレートだけでは書き方に迷うので、ライティングの練習課題で扱ったオンライン面談の案内文を題材に、記入した形を示します。以下は編集部の作例です。実在する応募者の経歴や、受注した案件の実績ではありません。 自分のポートフォリオには、実際に制作した内容へ置き換えて記載してください。

作品紹介の完成例

記事名: 初めてオンライン面談を受ける人向けの参加案内
制作区分: 自主制作。架空の開催資料を使った練習記事
想定読者: 翌日、自宅から初めてオンライン面談に参加する人
記事の目的: 開始時刻、必要な準備、入室可能時刻、接続できない場合の連絡方法を確認できるようにする
担当範囲: 与えられた資料の整理、構成、執筆、資料との照合、推敲
資料: 練習課題に掲載された開催案内・準備案内・入室案内。実在サービスの調査は行っていない
工夫した点: 準備と当日の行動を分け、資料にない参加条件は断定せず、確認事項として残した
未対応の範囲: 実際の参加テスト、取材、製品別の操作説明、WordPressへの入稿
制作時間: 計測していないため記載なし

この作例で示せるのは、与えられた資料から案内を組み立てる力です。「ツールを比較調査できる」「実機で検証した」「取材記事を執筆できる」とまでは言えません。一つの作品で証明できる範囲を広げすぎないことが、応募後の認識違いを減らします。

また、作品へのリンクと制作日を実物に合わせて添えます。本文の説明に「出典を明記」と書いたなら、実際の記事にも資料名と参照先があるかを確認してください。紹介文だけが立派になり、作品と食い違う状態を避けます。

抽象的な自己評価を、確認できる説明へ変える

書きがちな説明 作品で示せる説明への変更例
読者目線を大切にしました 面談前日に読む人を想定し、開始時刻と準備を先に示した
徹底的にリサーチしました 開催・準備・入室の3資料を照合し、条件の有無を確認した
分かりやすく書きました 前日と当日の行動を段落で分け、接続できない場合の連絡先を加えた
SEOに強い記事です 検索順位は未計測。読者の質問に答える見出しと本文を作成した
記事制作をすべて担当しました 資料整理・構成・執筆・推敲を担当。撮影と入稿は行っていない

「丁寧」「高品質」のような言葉をすべて消す必要はありませんが、それだけで評価を求めないようにします。読む人が作品を開いて確かめられる工夫を一つ示す方が、対応範囲を判断しやすくなります。

最初の一覧ページは、作品の入口を短く作る

一つの作品を説明できるようになったら、一覧ページを整えます。初めから凝ったデザインを作るより、冒頭で担当範囲が分かり、作品本文へ迷わず進めることを確認してください。以下は並べ方の例で、サンプルの必要本数を定めるものではありません。

  1. 対応範囲を一文で書く。 「初心者向けの案内文を、資料整理・構成・執筆まで制作しています」など、作品で示せる範囲にする。
  2. 関連作品へのリンクを置く。 記事名、自主制作の区分、短い説明を付ける。画像だけを置いて本文の入口を隠さない。
  3. 仕事につながる経験を書く。 公開できる経歴のうち、依頼内容に関係するものを選ぶ。
  4. 対応日程と連絡方法を書く。 作業できる時間と返信できる時間を分け、実際に守れる内容にする。

自己紹介を短くすることは、経歴を隠すことではありません。発注者が作品を確認した後で、背景を必要に応じて読める順番にします。趣味の記事も残したい場合は、仕事向けの作品とは入口を分けると探しやすくなります。

作品カードの説明は、例えば「自主制作/初めてオンライン面談を受ける人向けの案内。資料整理・構成・執筆・推敲を担当」のように書けます。詳しい制作説明は作品ページに置き、同じ長文を一覧でも繰り返さないようにします。

公開方法は、相手が開けることを優先する

形式 使いやすい場面 確認点
文書の共有リンク 特定の発注者へ原稿を見せる 閲覧権限、アカウント表示、コメント履歴
PDF レイアウトを保って送る 文字が小さくないか、リンクが開くか
ブログ・個人サイト 継続的に複数の記事を紹介する スマートフォン表示、更新日、連絡先
サービス内プロフィール 応募先のサイト内で完結させる 掲載ルール、外部リンクの扱い

文書の編集権限を不用意に全員へ付ける必要はありません。閲覧用と編集用を分け、想定した相手の閲覧条件で開けるかを確かめます。公開範囲が広い場合は、住所、電話番号、他の顧客名、コメントに残る個人情報を確認します。

共有リンクは「送れるか」と「読めるか」を分けて確認する

URLをコピーできても、相手が本文を開けるとは限りません。自分は所有者として開けるため、権限の問題を見落としやすくなります。見せる相手と公開範囲を決め、その条件で読めるかを確認します。

Google ドライブでは、共有相手に閲覧・コメント・編集の権限を設定できます。「リンクを知っている全員」は、指定した応募先だけに限定する設定ではありません。使える共有設定はアカウントや組織の管理方針でも変わるため、現在の画面と公式案内を確認してください。Google ドライブの共有ヘルプ

見せたい範囲 確認方法
一般公開してよい自主制作 自分のログイン状態に依存せず、本文とリンクが読めるか確認する
特定の相手だけに見せたい資料 相手のアカウント・共有方法を確かめ、指定相手が閲覧できる設定にする
PDFなどの添付ファイル 書き出したファイルを開き直し、文字・改ページ・リンクを確認する

確認のために、元の作業フォルダ全体を共有する必要はありません。必要な作品だけをまとめ、下書き、関係のない顧客資料、コメントなどを含めていないか点検します。個別共有を選んだ資料がログアウト状態で開けないのは、設定どおりの場合があります。「誰でも開ける」を一律の合格条件にしないでください。

送る前には、一覧から作品本文まで実際にリンクを押します。スマートフォンでも表の端が切れていないか、PDFの文字が拡大しないと読めないほど小さくないかを確認します。相手から権限エラーを伝えられたら、公開範囲をむやみに広げず、共有先やファイル形式の指定を確認して直します。

受託実績は、掲載できる範囲を確認する

報酬を受け取って制作した記事でも、自由にポートフォリオへ再掲載できるとは限りません。契約、著作権、秘密保持、発注者の掲載ルールを確認します。公開済みの記事でも、自分が担当した事実を公表してよいかは別の問題として確認してください。

確認文は、例えば次のように書けます。

今回担当した記事について、ポートフォリオでの紹介可否を確認させてください。掲載先URLへのリンクと、担当範囲[構成・執筆]のみを記載する予定です。会社名や制作内容について、公開できない項目があればご指定ください。

許可が得られない場合は、案件情報をぼかして無断掲載するのではなく、別途自主制作のサンプルを用意します。

応募時は、関連するサンプルを選び直す

すべての応募にポートフォリオのトップURLだけを送ると、相手が探す作業を負担します。募集に近い一本を選び、「今回の募集とどこが近いか」を添えます。

初心者向けの手順記事を募集されているため、操作前の準備とつまずきやすい点を整理したサンプルをお送りします。自主制作で、資料確認・構成・執筆を担当しています。記事末尾に参照資料と確認日を記載しています。

募集要項で添付形式や記載項目が指定されていれば、その指定を優先します。応募文そのものの組み立てはランサーズの提案文も参照できます。

応募先の条件と作品を照合する

作品を選ぶ前に、募集文から「誰向けの記事か」「どの作業を任されるか」「提出形式」を抜き出します。ジャンルが同じでも、取材が必要な仕事と資料からまとめる仕事では、見せるべき作業が異なります。

たとえば、初心者向けツール解説の記事を、公式ヘルプの調査から構成・執筆まで担当する募集を想定します。先ほどの案内文は、条件を整理する力の参考にはなりますが、公式ヘルプを自分で探す調査力やツールの操作経験は示していません。

募集で求められること 今の作品で示せるか 不足がある場合の対応
初心者向けに順序立てて説明する 前日と当日の案内で示せる 該当箇所へ直接案内する
公式ヘルプから情報を調べる 架空資料の整理だけでは不足 自分で調べた別の作品を添える
実際の操作画面を用意する この作品には含まれない 対応できる環境と必要条件を確認する
指定形式へ入稿する 本文だけでは示せない 経験の有無と対応範囲を分けて伝える

不足があるからといって、必ず別の記事を長く書き直す必要はありません。出典メモや構成案で補える募集もあれば、操作経験が必須で応募対象にならない募集もあります。募集の必須条件を満たさない点を隠して応募するのではなく、必要な経験を得るか、現在の範囲に合う仕事を探してください。

応募文へ添える説明の例

初心者向けの案内を作成した自主制作サンプルをお送りします。資料に記載された条件を整理し、準備と当日の行動を分けて説明しています。
このサンプルの担当範囲は、資料整理・構成・執筆・推敲です。架空資料を使った練習のため、今回のツールを実際に操作した実績として提示するものではありません。
[自分のサンプルURL]

この文例は、対応できる範囲を伝えるためのものです。「必須の操作経験があります」と書けない募集へ、この説明だけで応募条件を満たしたことにはできません。相手の指定に応じて、該当する作品と説明だけを送ります。

応募後は、作品を増やす前に不足を記録する

採用されなかった理由は、相手から説明がない限り分かりません。「この作品は価値がない」「本数が少ないから落ちた」と断定せず、募集条件との一致、見せた作品、質問された内容を残します。

応募した仕事の種類:__
募集の必須条件:__
提示した作品・版:__
条件に対応する箇所:__
相手から確認されたこと:__
自分では示せなかった作業:__
次に直す点:__

「入稿できるか」を繰り返し聞かれるなら、記事本文を増やす前に、入稿の対応範囲を明記する必要があるかもしれません。比較の根拠を聞かれたなら、使用資料と比較条件の説明を見直します。反応がないだけの場合は、作品以外に応募条件・時期・提案文も関係し得るため、原因を一つに決めつけません。

作品を更新したら、内容と制作説明の両方を直し、更新日を付けます。過去の応募で送った版は手元で区別できるように残してください。どの版への質問か分かれば、話が食い違いにくくなります。

公開前の最終確認

  • 自主制作と受託実績を区別した。
  • 実際に担当していない作業や成果を書いていない。
  • 引用・画像・公開実績の利用条件を確認した。
  • 記事の数値とサービス条件を確認した。
  • 想定読者と制作の目的を記載した。
  • 他のアカウントや閲覧状態でも開けるか確かめた。
  • スマートフォンで見出しと表を読める。
  • 個人情報、コメント、編集履歴の公開範囲を確認した。

よくある質問

ブログを作らないと不利ですか?

応募時に閲覧でき、必要な作業を示せるなら、文書やPDFでもサンプルを提示できます。WordPress入稿を募集している案件なら、その経験を別に示せると判断材料になります。高価なサイト制作を応募の前提にする必要はありません。

過去の仕事を一つも公開できません。

実績公開ができない事情を簡潔に伝え、自主制作を見せます。「守秘義務があるので詳細は非公開」と書く場合も、実際に存在する仕事についてだけ記載してください。

何本揃えてから応募すべきですか?

一律の本数はありません。募集内容に近い完成稿を用意できたら応募を検討し、追加が必要だと分かった分野を増やします。十本の未完成稿より、内容を説明できる一本を優先してください。

次は初めて応募する案件の選び方で、サンプルを送る先の条件を確認します。まだ本文が完成していない場合は七つの練習課題へ戻って進められます。

編集・運営:みんなの副業 編集部(株式会社NO CAP)/本文更新日:2026年9月8日。制作説明の完成例、募集条件と作品の照合、一覧ページ、共有確認、応募後の記録を増補。Googleドライブの共有ヘルプを確認。作例・募集設定・記録欄は編集部の提案で、実在する応募者や受注実績ではありません。個別契約の掲載許可や募集要件は、それぞれの条件で確認してください。

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