副業の住民税を「自分で納付」にする方法|会社に知られる経路と、選べないケース

副業の住民税は、申告が必要かどうかと、納め方を分けて確認します。給与・公的年金等以外の所得では「自分で納付」を希望できる場合がありますが、赤字や控除・自治体の処理によって特別徴収になることもあります。選択しても勤務先に知られないことを保証する仕組みではありません。

この記事の目次 7項目

まず確認:住民税の申告は必要?

  • 所得税の確定申告を提出する場合:原則として住民税の申告を別途提出する必要はありません。
  • 所得税の確定申告をせず、給与以外の副業所得がある場合:原則として住民税の申告が必要です。住民税には所得税と同じ20万円の申告不要制度はありません。
  • 給与のみの場合:勤務先から給与支払報告書が提出され、追加する所得・控除がなければ、別途申告が不要になるケースがあります。

所得税の20万円ルールも無条件ではありません。給与収入2,000万円以下で、1か所からの給与が源泉徴収・年末調整の対象となる人が、給与・退職所得以外の所得の合計が年20万円以下なら、原則として所得税の確定申告は不要です。医療費控除などで申告する場合は副業所得も含めます。副業がアルバイト給与の場合は、年末調整されなかった給与の収入金額と他の所得で判定するため、申告不要の条件を確認してください。

国税庁:給与所得者の申告条件 / 中央区:住民税申告のQ&A

なぜ住民税で分かるのか:特別徴収の仕組み

市区町村は毎年、前年の所得をもとに住民税を計算し、5月31日までに勤務先へ「特別徴収税額決定通知書」を送ります(東京都主税局)。勤務先はその通知に従って6月から翌年5月まで給与から天引きします。副業分も給与からの特別徴収に含まれる場合、給与から想定される税額との差が、勤務先が他の所得の存在に気付くきっかけになることがあります。税額だけで副業の有無や仕事内容が確定するわけではありません。勤務先用の税額通知と本人用の通知では記載内容が異なります。通知の扱いは自治体の案内で確認してください。

手順:確定申告書第二表で「自分で納付」を選ぶ

副業分を普通徴収にする

  1. 確定申告書第二表の「住民税・事業税に関する事項」を開く
  2. 「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」で「自分で納付」に○をつける(作成コーナーでは選択式)
  3. 申告後、副業分の住民税は自分宛ての納付書(6月ごろ)で納める。普通徴収として処理された場合は給与天引き分と分けて納付する。通知で結果を確認する

作成コーナーの手順全体は副業の確定申告のやり方にまとめています。所得税の申告をせず住民税のみ申告する場合は、申告する年の1月1日時点の住所地の自治体の様式・記入方法を確認してください。徴収方法の選択欄や提出期限・電子申告の対応は自治体ごとに確認します。

使えないケース・通らないケース

状況 結果 根拠
副業がアルバイト・パートなど「給与」 原則として複数の給与を合算し、主たる勤務先から特別徴収。例外は自治体で確認 地方税法321条の3。足立区「給与に係る住民税をすべて主たる給与の事業者から特別徴収」、朝霞市「給与所得について普通徴収の選択は認めない」
副業が赤字で給与所得と相殺される 特別徴収になる場合がある 文京区「給与所得以外の所得がマイナスの場合や、申告の内容によっては…特別徴収となる場合があります」
第二表の欄を未記入 自治体によっては自動的に特別徴収 足立区「令和6年度以降、欄未記入は自動的に特別徴収」
自治体の運用 按分方法や運用は自治体ごとに差がある 各市区町村の案内で要確認

現実的な結論

  • 給与・公的年金等以外の所得では「自分で納付」を希望できますが、赤字・控除・申告内容によっては特別徴収になる場合があります
  • 給与型の副業(アルバイト)は原則として主たる勤務先から特別徴収されます。例外の扱いは自治体に確認します。就業規則で副業が認められているかを先に確認する(会社員が副業を始める前に確認する4つのこと)
  • 住民税は「会社に知られない方法」ではなく「正しく分けて納める方法」と考えるのが実務的。就業規則違反の副業を隠す手段にはならない

注意点

  • 「自分で納付」を選んでも、自治体の処理で特別徴収になることがあります。6月の通知を確認し、意図と違えば市区町村に問い合わせてください。
  • 所得税の申告が不要でも、給与以外の副業所得があれば原則として住民税の申告が必要です。冒頭の区分に沿って、住所地の自治体で要否を確認してください。
  • 所得税の確定申告をした場合は、原則として別途の住民税申告は不要です。申告不要と非課税は別の判断なので、税額が少ないことだけで申告不要と決めないでください。

あわせて読む

確認元

  • 地方税法317条の2・321条の3(e-Gov法令検索)
  • 東京都主税局「個人住民税の特別徴収推進ステーション」
  • 文京区・足立区・朝霞市の個人住民税案内/国税庁 確定申告書等作成コーナー「住民税の徴収方法の選択」

この記事に書いた制度の内容は 2026年9月3日 に国税庁・総務省・各自治体の公表資料で確認しました。令和8年分(2026年分)の申告日程・様式は国税庁・自治体の対象年度の案内で最終確認してください。個別の税務判断は税理士または税務署にご相談ください。

執筆・確認:みんなの副業 編集部(株式会社NO CAP)/最終確認日:2026年9月3日/確認方法:地方税法(e-Gov)、東京都主税局、文京区・足立区・朝霞市などの住民税案内、国税庁 確定申告書等作成コーナーの解説を編集部が確認

2026年9月14日訂正:住民税申告の要否を所得税の申告・給与のみ・給与以外の所得に分け、20万円ルールの条件と普通徴収の例外を補足しました。文京区:副業がある場合の徴収方法。所得税の還付申告時の扱いは国税庁で確認しています。

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