
執筆・確認:みんなの副業 編集部(株式会社NO CAP)/最終確認日:2026年8月27日/確認方法:国税庁タックスアンサー・日本年金機構・ハローワークの公表資料を編集部が確認
副業が軌道に乗ってくると必ず出てくるのが「開業届は出すべきか」「青色申告にすべきか」という疑問です。結論から言うと、帳簿を付けて事業として続けるつもりなら出す価値があり、雇用保険の受給予定がある人だけは立ち止まって考える——これが基本線です。このページでは期限・控除額の条件・出す前の注意点を、国税庁の一次情報ベースで整理します。
開業届とは何か、いつまでに出すか
正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」。事業を始めた日から1か月以内に、納税地の税務署へ提出します(持参・郵送のほかe-Taxでも提出可、手数料無料)。出さなくても罰則はありませんが、次に説明する青色申告の入口になるため、事業として続ける人は早めに出しておくのが実務的です。
青色申告で何が変わるか(10万・55万・65万円控除)
開業届とセットで「青色申告承認申請書」を出すと、青色申告特別控除が使えます。控除額は帳簿と提出方法で3段階に分かれます。
青色申告特別控除の3段階
| 控除額 | 主な条件 |
|---|---|
| 10万円 | 簡易な帳簿でOK。複式簿記や期限内申告の要件を満たさない場合 |
| 55万円 | ①事業として営んでいる ②複式簿記で記帳 ③貸借対照表・損益計算書を添えて期限内に申告 |
| 65万円 | 55万円の条件に加えて、e-Taxで期限内に申告するか、優良な電子帳簿の要件を満たして届出 |
会計ソフトを使えば複式簿記のハードルは実質的に下がっており、e-Tax申告まで行えば65万円控除に届きます。所得税率が5%の人でも約3.25万円、20%の人なら年13万円の税負担が変わる計算で、ソフト代を差し引いても十分に元が取れます。
申請書の期限だけは逃さない
- その年の1月16日以後に新しく開業した場合:開業日から2か月以内
- すでに業務をしていて青色に切り替える場合:その年の3月15日まで
期限を過ぎると、その年は白色申告(青色の適用は翌年から)になります。開業届と同じタイミングで2枚セットで出すのが確実です。
副業でも「事業所得」になるのか
2022年の通達改正で、判断の目安が明確になりました。ポイントは帳簿書類の保存です。帳簿を付けて保存していれば、副業でも概ね事業所得として扱われます(ただし収入が僅少な状態——例えば300万円以下で主たる収入の1割未満——が3年程度続く場合や、赤字続きで改善の取り組みがない場合は、個別に雑所得と判断されることがあります)。逆に帳簿がなければ、収入300万円以下は原則として雑所得です。「帳簿を付けるかどうか」が、控除だけでなく所得区分の分かれ目にもなっているということです。
出す前に確認したい2つの注意点
1. 雇用保険の基本手当(失業給付)
基本手当は「いつでも就職できるのに職に就けない」状態が前提のため、自営業を開始した人は原則として受給できません。退職して失業給付を受ける予定がある人は、開業届のタイミングを慎重に。なお、受給中に開業へ進む場合は条件を満たせば再就職手当の対象になることがあります。
2. 扶養への影響
税法上の扶養(配偶者控除など)は合計所得金額で判定されるため、開業届の提出自体は無関係です。一方、健康保険の被扶養者は要注意。協会けんぽは年収130万円未満などの収入基準で判定しますが、健保組合によっては「個人事業主は収入にかかわらず被扶養者と認めない」という独自基準があります。配偶者の健保組合の規約を先に確認してください。
手続きの流れ(最短ルート)
- 開業日を決め、開業届と青色申告承認申請書を作成(e-Tax・郵送・持参のいずれか)
- 会計ソフトに口座・カードを連携し、複式簿記の記帳を開始
- (配偶者の扶養に入っている場合)健保組合の被扶養者基準を確認
- 翌年の確定申告をe-Taxで期限内に提出 → 65万円控除
この記事の結論
- 帳簿を付けて事業として続けるなら、開業届+青色申告承認申請はセットで出す。
- ただし、失業給付の受給予定がある人と、健保組合の扶養に入っている人は、先に条件を確認してから。
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この記事の確認元
- 国税庁 タックスアンサー A1-5(開業届出)・A1-8(青色申告承認申請)・No.2072(青色申告特別控除)
- 国税庁 所得税基本通達35-2の改正(令和4年10月7日)
- ハローワークインターネットサービス(基本手当の受給要件)/日本年金機構(被扶養者認定)
この記事に書いた制度の内容は 2026年8月27日 に、国税庁・厚生労働省・総務省など発表元の資料で確認しました。制度は改正されることがあるため、手続きの前に必ず最新の内容をご確認ください。





