
副業をする人は5年で245万人から305万人に増えました。増えている理由は「働き方が自由になったから」だけではありません。制度・技術・企業側の事情の3つが同時に動いた結果です。
この記事の目次 7項目
数字で見ると、どのくらい増えたのか
総務省「就業構造基本調査」(2022年10月1日現在)
| 2017年 | 2022年 | |
|---|---|---|
| 副業がある人 | 245万人 | 305万人 |
| 副業者比率 | 3.9% | 4.8% |
| 正規の職員・従業員 | 1.9% | 2.5% |
| 非正規の職員・従業員 | 5.9% | 7.2% |
都道府県別では京都府の7.5%が最も高く、次いで東京都の6.5%でした。なお就業構造基本調査は5年ごとの調査で、2026年8月時点ではこの令和4年調査が最新の公的統計です。
より新しい民間調査では、パーソル総合研究所が2025年10月に、正社員の副業実施率が11.0%と過去最高になったと発表しています。同社の調査では、それまで微減が続いていた実施率が初めて上昇に転じました。
増えた理由 ① 会社側の制限が外れた

厚生労働省のモデル就業規則が2018年1月に「原則容認」へ切り替わったことが起点です。詳しくは副業解禁はどこまで進んだ?にまとめていますが、会社が副業を制限できる場面が4つに絞られたことで、届け出れば始められる会社が増えました。
増えた理由 ② 仕事の受け渡しがオンラインで完結するようになった
クラウドソーシング、スキルシェア、フリマアプリ、スペースや駐車場の貸し出しなど、登録から受注・納品・入金までがオンラインで完結するサービスが揃いました。通勤も面接もなく、空いている時間だけ働ける形が現実的になっています。
オンラインで完結する副業の例
- クラウドワークス … 案件数が多いクラウドソーシング。最初の1件を見つけやすい
- ココナラ … 自分の知識・スキルを商品として出品する
- メルカリ … 不要品を売るところから始められるフリマアプリ
- akippa … 空いている駐車スペースを時間単位で貸す
- マクロミル … アンケートに回答してポイントを貯める
増えた理由 ③ 制度の受け皿が整った
副業が増えれば、労災や社会保険の扱いが問題になります。この5年でそこが順に埋められました。
- 2020年9月:複数の会社で働く人の労災給付が、全就業先の賃金を合算した額で計算されるようになりました
- 2022年1月:雇用保険のマルチジョブホルダー制度が始まりました(65歳以上が対象)
- 2024年10月:社会保険の適用対象が従業員51人以上の会社まで広がりました
- 2024年11月:フリーランス法が施行され、業務委託で働く個人に発注側の義務という形の保護が入りました
「やってもいい」だけでなく「やったときに守られる」形が整ってきた、というのがこの数年の変化です。
何から始めるかで迷ったら
自分に合う形の絞り込み方
- 使える時間の形を決める。まとまった時間が取れるのか、細切れなのか。細切れならアンケートやポイントサイト、まとまった時間が取れるならクラウドソーシングやスキルシェアが向きます
- すでに持っているものを数える。空いている駐車場、使っていない部屋、売れる不用品、仕事で身についた知識。ゼロから積み上げるより早く動けます
- 雇用か業務委託かを決める。雇用(アルバイト)は本業と労働時間が通算され、住民税の徴収方法も選べません。業務委託はどちらも当てはまりません
- 記録をつけ始める。収入と経費を記録しておけば、確定申告のときに慌てずに済みます
次に読むなら
- 会社員が副業を始める前に確認する4つのこと … 就業規則・労働時間・住民税・社会保険
- 副業解禁はどこまで進んだ? … モデル就業規則の改定と最新の数字
- 副業の確定申告はいくらから? … 20万円ルールと住民税の関係
この記事で参照した資料
- 総務省「令和4年就業構造基本調査」(令和5年7月21日公表)
- パーソル総合研究所「第四回 副業の実態・意識に関する定量調査」(2025年10月28日発表)
- 厚生労働省「モデル就業規則」(令和7年12月版)/「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(令和4年7月8日改定版)
- 厚生労働省「複数事業労働者への労災保険給付」/「雇用保険マルチジョブホルダー制度について」
- 公正取引委員会「フリーランスの取引適正化に向けた取組」
この記事に書いた制度と統計の内容は 2026年8月22日 に、国税庁・厚生労働省・総務省など発表元の資料で確認しました。制度は改正されることがあるため、手続きの前に必ず最新の内容をご確認ください。




