ライバー事務所と契約する前に|公取委が注意した「辞めたあと」の条項をどう確認するか

執筆・確認:みんなの副業 編集部株式会社NO CAP)/最終確認日:2026年9月3日/確認方法:公正取引委員会の公表資料(2025年12月・2025年9月指針)、国民生活センター・消費者庁の注意喚起を編集部が確認

「事務所に入れば時給保証がつく」「サポートが受けられる」。ライバー事務所の勧誘でよく聞く説明ですが、2025年12月、公正取引委員会がライバー事務所4社に対して契約条項について注意を行いました。問題とされたのは「辞めたあとに配信できなくなる」タイプの条項です。このページでは、公的機関が実際に問題視した点をもとに、契約前に確認すべきことを整理します。

まず事実:公正取引委員会が2025年12月にライバー事務所4社へ注意

公正取引委員会は2025年12月9日、ライバー事務所4社(AEGIS GROUP、Colors、321、WASABI)に対し、マネジメント契約の条項が独占禁止法上問題となるおそれがあるとして注意を行ったと公表しました。問題とされたのは、契約終了後の一定期間、合理的な理由なく「ライブ配信活動そのもの」「他の事務所との契約」「同種事業の営業」を禁止する条項です。これらは独占禁止法第19条(拘束条件付取引・競争者に対する取引妨害)に該当するおそれがあると整理されました。なおこれは違反を認定したものではなく、4社は契約内容の見直しを申し出たと公表されています。公取委は同種の事案に厳正に対処する方針を示しています。

ここから読み取るべき実務的な教訓はひとつです。ライバー事務所の契約書には「辞めたあと」の条項が入っていることがあり、それは公的機関が問題視するレベルで存在してきたということ。入るときの条件(時給保証・サポート)だけでなく、辞めるときの条件を必ず読む必要があります。

契約書で必ず確認する6点

確認する条項 見るべきポイント
契約終了後の活動制限 辞めたあと、配信や他事務所への移籍が制限されていないか。期間・範囲は合理的か(2025年12月に公取委が問題視した点
契約期間と更新 期間が不合理に長期でないか。事務所側だけが延長を決められる形になっていないか
違約金・退所時の金銭 退所や移籍のときに高額な金銭を請求される条項がないか
報酬の計算方法 分配率と計算方法が書面で明示されているか。事務所が一方的に変更できる形になっていないか
費用の控除 レッスン料・機材費などを報酬から差し引く合意が明確か
配信名・権利の帰属 配信名やキャラクター・成果物の権利が誰に帰属するか。辞めたあとも使えるか

公正取引委員会は2025年9月に「実演家等と芸能事務所等との取引の適正化に関する指針」を公表しており、上に挙げた項目はいずれもその中で問題行為として整理されているものです。また、事務所とライバーが業務委託の関係にある場合はフリーランス法(取引条件の明示義務・報酬支払期日・買いたたきの禁止など)の対象になり得ます。

18歳・19歳はとくに注意

2022年4月の成年年齢引き下げにより、18歳・19歳は未成年者取消権が使えなくなりました。以前なら「親の同意なく結んだ契約」として取り消せた契約も、いまは原則として取り消せません。国民生活センターは、事業者が18〜19歳に対して「もう大人だから自分で決められる」と決断を迫る手口に注意するよう呼びかけています。若い人ほど、その場でサインせず持ち帰ってください。

「公式事務所」を名乗る勧誘への対処

IRIAMは公式FAQで「IRIAMが運営・管理する公式事務所は存在しない」と明記し、事務所を「公式」「公認」と表記することは原則許可していないと説明しています。つまり「アプリの公式事務所です」という勧誘は、その時点で説明が正確ではないということです。まずはフリー(無所属)で始めて、収益化条件に自力で届くか試してから所属を検討しても遅くありません(ライブ配信アプリ比較)。

困ったときの相談先

  • 契約や勧誘で不安を感じたら、消費者ホットライン188(いやや!)で最寄りの消費生活センターに相談できます。
  • その場で契約せず、契約書のコピーを持ち帰って家族や第三者に見せてください。
  • 報酬は所得です。給与を1か所から受けていて年末調整を受けている会社員の場合、給与以外の所得(収入から経費を引いた額)が年20万円を超えると所得税の確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告は別に必要です(お住まいの市区町村へ)。

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確認元

  • 公正取引委員会「ライバー事務所4社に対する注意について」(2025年12月9日公表)
  • 公正取引委員会「実演家等と芸能事務所、放送事業者等及びレコード会社との取引の適正化に関する指針」(2025年9月30日)
  • 国民生活センター「タレント・モデル契約のトラブル」「若者向け注意喚起シリーズNo.9」/消費者庁「18歳から大人」

この記事の内容は 2026年9月3日 に公正取引委員会・国民生活センター・消費者庁の公表資料で確認しました。本記事は一般的な注意点の整理であり、個別の契約についての法的判断が必要な場合は弁護士等の専門家にご相談ください。

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