近年ようやく見直しの機運が高まっているものの、有名無実化されていた「定時」という概念。
募集要項を見ればどの会社も17時、あるいは18時が提示となっているものの、現実的にその時間に帰社できることはノー残業デー以外には考えられない…それが長らく我が国では当たり前のことでした。
しかし働き方改革の波を受け、定時で帰社できる企業も増えつつあります。
そのため、空いた時間に副業をとの機運も高まっていますが、副業と残業はどちらの方がメリットがあるのかなど、様々な点を検証してみました。
残業が副業よりも優れているメリット
残業と副業を比較した際、残業の方が優れているのではと思われる部分がいくつかあるのでそちらをピックアップしてみました。
残業が副業よりも優れているメリット1:移動時間がない
残業の場合、副業とは異なり「それまでの仕事の延長」になりますので移動の時間はありません。
副業先まで移動する時間を残業に当てれば「時間的な効率」という点では残業の方が優れていますが、ネットで副業を行う場合、このメリットは消えてしまいます。
残業が副業よりも優れているメリット2:慣れている人間関係の中でのお仕事
残業の場合、新しい人間関係の中でのお仕事ではなく、普段の延長になりますので慣れている環境でそのままお仕事が可能です。
但し、常にあまり良い環境ではないと感じている場合には逆にデメリットになってしまいます。
「一刻も早く帰社したい」「周りとは合わない」と感じている人にとっては「嫌な環境」の時間が伸びることになりますので、こちらも一概にメリットとは言い切れません。
副業が残業に勝っている部分やメリット
残業は「自分が良いと思っている環境」であればメリットもあるでしょう。
では副業が残業に勝っている部分をいくつかピックアップしてみました。
副業が残業に勝っているメリット1:自分のペースで仕事に取り組める
そもそも副業は自由です。
ネットを含め、副業の選択肢は幅広いので自分の好きなスタイルで取り組めます。
がっつり稼ぎたい人から、週に1日程度で良いので軽くお小遣い稼ぎをという人まで、副業は様々な形で取り組める点は残業にはないメリットです。
残業の場合、半強制的なものです。
帰りたいと思っても帰ることはできません。肉体的にも精神的にも大きなプレッシャーの中でのお仕事にならざるを得ませんが、副業の場合、取り組み方が自由なので「嫌な時はやらない」も可能です。
残業の際、「今日は気が乗らないので帰ります」は通用しませんが、副業であればそれも可能です。
副業が残業に勝っているメリット2:気分転換になる
どのような副業であれ、本業とは違うことに取り組みますので気分転換にもなります。
一方残業の場合、本業からの続きになりますので気分転換にはなりません。むしろ残業の時間が長くなればなるほど、気分転換を求めたくなるのではないでしょうか。
特に嫌々取り組んでいる残業の場合、肉体的な疲労よりも精神的な疲労の方が蓄積されていくのではないでしょうか。
副業が残業に勝っているメリット3:人間関係や視野が広がる
どのような副業であれ、本業とは違う環境になりますので人間関係が広がります。
ネットでの副業で誰とも関わらないとしても、新しいことを覚えようとすれば視野も広がります。広がった視野が本業のビジネスに役立つこともあれば、自分自身の価値観にも影響を与えてくれるかもしれません。
一方残業の場合、基本的に「延長」しているだけでしかありませんので、残業だからと言って決して新しい人間関係ができる訳でもなければ、新しい何かに取り組む訳ではありませんので、新しい出会いもなければ価値観が広がる可能性も低いでしょう。
副業のハードルが低下しているからこそ
このように並べると、残業よりも副業の方が何かとメリットも多いことが分かりますが、「そのくらい分かっている。でも副業ができない」と諦めていた人も多かったのではないでしょうか。
副業を容認していない企業で働いている場合、副業に取り組むことはできませんし、副業を容認している企業で働いているとしても、副業そのものを探すことが手間に感じていた人も多かったことでしょう。
しかしネットの発達により、簡単に副業を探したり、あるいは自ら取り組めるものも登場しています。
そのため、副業のハードルはかつてと比べると大幅に低下しています。
ネットさえあればできる副業が増えている
かつて副業と言えば仕事が終わってから急いで他の職場まで出向き、短時間働いて帰宅するものでした。
そのため、どうしても「副業=時間に追われる」というイメージも強いことでしょう。
むしろそのイメージが強い人は「副業するよりも残業の方がまだマシ」といった気持ちがあるかもしれません。
しかしネットで取り組める副業の場合、わざわざ急いで帰宅する必要はありません。
スマートフォンさえあれば電車の中でも取り組めるものも登場していますので、決して「時間に追われて寝不足で…」といった、従来の副業のイメージはもはや過去のものです。
楽しさがある副業も
いくら副業とはいえ仕事であることは間違いないのですが、仕事ではあっても「楽しさ」がある副業もあります。
例えば転売であれば自分自身の興味のあるものがどれだけ高く売れるのかや、どれだけの利益が出るのかゲーム感覚で取り組めます。
また、あくまでも自分の意思で取り組めますので残業のように上司にどやされることもなければ、タイムリミットを設けられて「それまでに何とかしなければ…」というプレッシャーもありません。
自由に「楽しく」取り組める副業も珍しくないだけに残業では味わえない気持ちを味わえる点もメリットです。
まとめ
副業と残業。立場によっては残業という選択肢しかない人もいることでしょう。
しかし、どちらかを選べるのであれば副業には残業にはない大きなメリットがたくさんありますし、ネットで手軽に取り組めるものであれば残業のない日だけでも取り組めます。
ネット環境のおかげで気軽に取り組めることを考えると、もはや「副業」そのものが、従来のものとは全く違った新しいものになりつつあることが分かるのではないでしょうか。